校門にクラスが書かれたボードが出ていた。
3人で確認すると……。
「やったぁ!みんな同じクラスだよ!」
なんと、3人全員同じクラスだった。
「また1年、よろしくな」
翼が俺たちに向けて笑顔で言う。
「うん!よろしくね、翼くん!」
氷菜が嬉しそうにそう言う。
まぁ、俺も正直、嬉しいんだけど……。
「さてと、早く教室行こうぜ」
翼のその言葉に頷いて3人で教室へ向かった。
黒板に書かれた席順を確認すると俺の席は廊下側の前から2番目だった。
翼と氷菜は窓側の後ろで前後だった。
くそっ、翼が羨ましい……。
今日は入学式というのもあって学校は午前で終わった。
「氷菜、一緒に帰ろうぜ」
中学の名残で登下校は一緒にしようと思って、氷菜に呼びかけると周りの女子の視線が痛かった。
「ねぇ、神崎くんってあの子と付き合ってるのかな?」
「えーっ!めっちゃショック!!」
そんな会話が聞こえてくる。
氷菜を見ると悲しそうな顔をしていた。
俺が傷付けているのか?
俺がそんな顔にさせてるのか?
そんな事を思った。
「ごめん……私、今日は1人で帰る!またね!」
女子たちの言葉を気にしてなのか、そう口早に言って教室から出て行った。
「氷菜·····」
仕方がないから1人で昇降口まで向かった。
昇降口で外履きに履き替えていると
「あれ?蓮、1人?
じゃあ、一緒に帰ろうぜー」
そう言って翼がやって来て俺は翼と帰ることにした。