今日から俺も高校生か。

何だか実感が湧かないな。


そんな事を思いながら幼馴染みの家へと向かう。



幼馴染みの佐上 氷菜。

小さい頃からずっと一緒で、元気で明るくて優しい氷菜のことを、俺はいつの間にか好きになっていた。


俺の片想いだってことは分かってる。

でも、この気持ちは変わることはない。


それくらい、大好きだから──。



ピンポーン──♪


氷菜の家のインターホンを鳴らす。


「はーい!」


その声と同時に出てきたのは氷菜のお母さんだった。


「あら、蓮くん!
いつも迎え来てくれてありがとうね~!
氷菜はまだ寝てるわ。良かったら中で待ってて」



「はい。お邪魔します」


あいつ、まだ寝てんのかよ……。


お母さんに案内されてリビングで氷菜のことを待った。


高校生だっていうのに1人で起きれなくて大丈夫かよ?


本当、俺がいないとダメダメだな。



リビングでそんな事を考えていると、


「蓮、ごめんね!待たせちゃって……」


制服姿の氷菜がリビングに来た。



可愛い……。

制服、すげー似合ってる。



しばらく見つめていると、


「や、やっぱり変、かな?
自分でも似合ってないなぁって思ってて……」


俯きながらそんな事を言う氷菜。


「いや、似合ってなくはないよ?」


素直になれず、言葉を濁す。


「もうーっ、何それーっ!」


氷菜が笑いながらツッコミを入れる。


「いやいや、褒めてんだけど?」


「褒められた気がしないんだもん!」


そんな言い合いでさえ楽しくてしょうがない。


「もうーっ····早く行こっ!」


諦めたのか先に歩き出す。


「あっ、置いてくなよ!
叔母さん、お邪魔しました!」


「気を付けて行きなさいね」



氷菜のお母さんに挨拶をして急いで氷菜の後を追いかけた。