僕の名前は、七瀬 優樹。
小学校、中学校、高校とすべて男子校で話したことがある女子は母親と祖母ぐらいだ。
そんなこともあり、僕は男が恋愛対象となってしまった。
ここ、アクア学園(男子校)には、僕と同じような男好きの生徒も多数いる。
それに、ここには小学校の時から思いを寄せている2つ年上の先輩がいる。
名前は、神城 智久。
キリッとした瞳に整った顔。
性格も優しく、運動神経も抜群で頭もいい。
そんな神城先輩のことが好きでたまらない。
神城先輩は、過去に男の人と付き合っていたという噂をきいたことがある。
もしかしたら、僕と同じ男好きなのかもしれない。
だったら、僕にもチャンスがあるはずだ。
今日、告白するんだ。
世の中やって見なければ分からない。
一か八かの勝負に出るのだ。
何もしなければ始まらない。
よし、先輩の教室に行ってみよう。
この時間でも、先輩は居るはずだ。
もう、下校時刻を過ぎているせいか廊下は静か。
教室には、先輩が荷物をまとめて出てこようとしている。
タイミングはバッチリだ。
あとは告白するだけだ。
「神城先輩!」
先輩が、こちらに気づいた。
「あれ、優樹?どうしたんだ?」
僕は大きく息を吸って言う。
「僕は、先輩のことが好きなんです!」
先輩は一瞬戸惑った顔をしたが、すぐに笑顔になる。
「優樹、実はな俺も男が好きなんだ。
それに、優樹は可愛いし俺も好きだったんだ。」
「ってことは?」
先輩は頷く。
「あぁ、よろしく。」
嘘だろ、本当に成功しちゃった。