「おい。」

振り向くとそこには一人の男子がいた。
いっ、イケメン!

「藤川。そろそろ退出時間。怒られるぞ。」
退出時間?てか私の名前を何で知ってるの?

「あの…あなたは…」
「わっ!時間やべっ!早く来いって。」
遮られたし…。
何なのここ?知らない場所だし知らない男子が私の名前知ってるし。

「来い!」
「はっ、はい!」

こうして私の波乱の物語がスタートしたのだ。
「…あの。」
「なんだよ。」

「退出時間って何?てかここはどこ?あなたは誰?」

「は?…」

その男子は眉をひそめた。
「もしかして…。」
うん。そうそう。私のこと間違えてたでしょ!

「熱か?」
ズコッ!熱じゃないよー。
「熱じゃないですけど。」


「じゃあ何でそんなこと聞くんだよ。昨日まで普通だったのに。」

昨日?私は昨日、普通に私の学校に行って…。
「いいか。この学校は全寮制だから、学校退出時間があって退出時間には寮に入っておかなきゃいけないんだよ。
ここは…セレーノ学園。お前が通ってるとこだろ?
バカじゃねぇのか。
あと俺は、松田勝利。」


何だかんだで全部教えてくれた。ありがとう。
でも…何で?私はここに通ってない。松田君も聞いたことないし…