迷ったけれど、やっぱり王道の俺様キャラかな?
「私は、松田君を選びます。」

高浜先輩はふっ、と笑った。
「それは何で?」

私ははっきりと答えた。
「あなたたち三人がゲームのキャラクターってことは、松田君が俺様で、永井君が小悪魔であなたがクールになるはずです。俺様キャラって王道ですよね?やっぱり王道からかなって。」

「ふーん。」
高浜先輩は一瞬眉をひそめたが、すぐに説明を始めた。

「何か分からないことがあれば、僕に言って。ゲーム関係者だから。じゃあ、まあ頑張って。」

高浜先輩は立ち去ろうとしたが思い出したように言った。
「あ、美術部はもう休まなくていい。僕がなんとかするから。」
「はい。ありがとうございます。」

「別に助けてないけど。」
そのまま高浜先輩は立ち去った。

…ありがとうございます。高浜先輩。

立ち去ったあと、高浜先輩はボソッと呟いた。

「あーあ。今度こそ戻れると思ったのにな…。」