「本当にこのコンセプトでいいんですか?」
植村さんと毎晩遅くまで詰めて話し合って決めたコンセプト。
結局私の案が通った。
「もちろんよ。見たことがない斬新なコンセプトだと思うわ」
「はい」
文書のトップに「コンセプト案」とあり、その横に『空(くう)をつかむ』と書かれてある。
「空(そら)ではなくて空(くう)っていうところがいいの」
空(くう)は、醍から教えてもらった言葉。
無限の可能性と自由性とそして夢を秘めてる言葉だと、醍を見ていて感じられたから。
「それにしてもよくこんな案が思いついたわね」
「知り合いに教えてもらった「色即是空」っていう言葉からヒントを得たんです」
「へー、また渋い言葉を知ってるお知り合いだわね」
植村さんは書類を胸に抱えたまま感心したように頷いた。
確かに、渋いわよね。まさか若干26歳の若者が言ってるなんて植村さんも思いもしないだろう。
青空にとけ込みそうな彼の横顔を思い出して少し胸が苦しくなった。
私は掴んでいられないかもしれない。醍のこと。
「さ、そろそろ事務所に戻りましょうか。言ってる間にまほろばさん達来られるわ」
植村さんは私の肩をポンと叩く。
私はゆっくりと腰を上げ、植村さんと会議室を出た。
植村さんと毎晩遅くまで詰めて話し合って決めたコンセプト。
結局私の案が通った。
「もちろんよ。見たことがない斬新なコンセプトだと思うわ」
「はい」
文書のトップに「コンセプト案」とあり、その横に『空(くう)をつかむ』と書かれてある。
「空(そら)ではなくて空(くう)っていうところがいいの」
空(くう)は、醍から教えてもらった言葉。
無限の可能性と自由性とそして夢を秘めてる言葉だと、醍を見ていて感じられたから。
「それにしてもよくこんな案が思いついたわね」
「知り合いに教えてもらった「色即是空」っていう言葉からヒントを得たんです」
「へー、また渋い言葉を知ってるお知り合いだわね」
植村さんは書類を胸に抱えたまま感心したように頷いた。
確かに、渋いわよね。まさか若干26歳の若者が言ってるなんて植村さんも思いもしないだろう。
青空にとけ込みそうな彼の横顔を思い出して少し胸が苦しくなった。
私は掴んでいられないかもしれない。醍のこと。
「さ、そろそろ事務所に戻りましょうか。言ってる間にまほろばさん達来られるわ」
植村さんは私の肩をポンと叩く。
私はゆっくりと腰を上げ、植村さんと会議室を出た。



