「実は自分の例の仕事にもだいぶ目処がついてきたんだ。後残すは職人達に時期を知らせて製作にとりかかるだけ」
「もうそこまで進んでるんだ」
相変わらず仕事が早いことに感心する。
自分の仕事以外にも、外注のデザインやメーカーとのコラボも手がけているのに。
「製作ってどこでするの?」
「うん、実は俺の希望する候補地はあるんだけど、ここからすごく遠いんだ」
「家から何時間もかかるような場所?」
急に得体の知れない不安が胸を覆い尽くす。
醍は困ったような顔をして口もとを緩めると小さく呟いた。
「まだはっきり決まってないんだけどね」
その彼の答えは少しだけ私の不安を和らげた。
「まずは父親の承諾を得ないことには前に進めない。その事業に取りかかるには吉丸の仕事から俺は一旦離れなくちゃならないから」
「うん」
醍は短く息を吐いた。
未来への展望とともに重くのしかかる彼のプレッシャーがそのため息に現れているような気がした。
普段そんな様子は微塵も見せないけれど、きっと醍も必死に戦ってる。
繊細できれいな横顔を見つめながら思った。
「もうそこまで進んでるんだ」
相変わらず仕事が早いことに感心する。
自分の仕事以外にも、外注のデザインやメーカーとのコラボも手がけているのに。
「製作ってどこでするの?」
「うん、実は俺の希望する候補地はあるんだけど、ここからすごく遠いんだ」
「家から何時間もかかるような場所?」
急に得体の知れない不安が胸を覆い尽くす。
醍は困ったような顔をして口もとを緩めると小さく呟いた。
「まだはっきり決まってないんだけどね」
その彼の答えは少しだけ私の不安を和らげた。
「まずは父親の承諾を得ないことには前に進めない。その事業に取りかかるには吉丸の仕事から俺は一旦離れなくちゃならないから」
「うん」
醍は短く息を吐いた。
未来への展望とともに重くのしかかる彼のプレッシャーがそのため息に現れているような気がした。
普段そんな様子は微塵も見せないけれど、きっと醍も必死に戦ってる。
繊細できれいな横顔を見つめながら思った。



