「とりあえず、こちらも助かったよ。渡瀬さん、素敵な絵をありがとう」
山田さんはにっこり微笑むと私の絵を抱えて、事務所に戻って行った。
一気に体中の力が抜け落ちていき、椅子の上にストンと腰を降ろす。
はぁ。夢みたい。
あの展示会に私の絵が飾られるなんて!
「あ!渡瀬さん!」
「は、はい?!」
パーテンションから突然山田さんが再び顔を出したので驚いて立ち上がった。
「君のペンネームどうしようか。あまり時間がないからできたら今日明日中には決めてもらいたいんだが」
「ええー。どうしよう」
ペンネームのことなんか全く考えもしなかった。
その時、ふと水色の空が一面頭の中に広がる。
醍とお寺で見た澄んだ朝の青空。
「あの、空でもいいですか?ローマ字で『SORA』」
「ああ、わかった。それにしよう」
山田さんは大きく頷いて親指を立てると、またデスクへ戻って行った。
自分の考えついたものが次から次へと認められていく。
私は、これでいいのかもしれない。
間違っていないのかもしれない。
もっと自信を持って踏み出しても・・・・・・・。
まほろば編集部の入る社屋から外に出ると、抜けるような青空が広がっていた。
あの日よりももっと濃い青。
空を見上げながら職場に電話をかけると植村さんがすぐに出てくれた。
「今から戻ります」
『その声の感じじゃ、決まったっぽいわね。待ってるわよ』
植村さんの声も私以上にはしゃいでいる。
いつの間にか一人で笑顔になってる自分に恥ずかしいと思いながらも、新しい自分に出会えたような喜びに足どりも軽く駅に向かった。
山田さんはにっこり微笑むと私の絵を抱えて、事務所に戻って行った。
一気に体中の力が抜け落ちていき、椅子の上にストンと腰を降ろす。
はぁ。夢みたい。
あの展示会に私の絵が飾られるなんて!
「あ!渡瀬さん!」
「は、はい?!」
パーテンションから突然山田さんが再び顔を出したので驚いて立ち上がった。
「君のペンネームどうしようか。あまり時間がないからできたら今日明日中には決めてもらいたいんだが」
「ええー。どうしよう」
ペンネームのことなんか全く考えもしなかった。
その時、ふと水色の空が一面頭の中に広がる。
醍とお寺で見た澄んだ朝の青空。
「あの、空でもいいですか?ローマ字で『SORA』」
「ああ、わかった。それにしよう」
山田さんは大きく頷いて親指を立てると、またデスクへ戻って行った。
自分の考えついたものが次から次へと認められていく。
私は、これでいいのかもしれない。
間違っていないのかもしれない。
もっと自信を持って踏み出しても・・・・・・・。
まほろば編集部の入る社屋から外に出ると、抜けるような青空が広がっていた。
あの日よりももっと濃い青。
空を見上げながら職場に電話をかけると植村さんがすぐに出てくれた。
「今から戻ります」
『その声の感じじゃ、決まったっぽいわね。待ってるわよ』
植村さんの声も私以上にはしゃいでいる。
いつの間にか一人で笑顔になってる自分に恥ずかしいと思いながらも、新しい自分に出会えたような喜びに足どりも軽く駅に向かった。



