ひと夏の恋をキミと

すると持っていたクマを
ひょいっと私の手から奪い


「そんな可愛いなら買ってやるよ。」


そう言って私の返事も聞かず
レジへ行って購入してしまった。


「ほら。」


丁寧にラッピングまでしてくれた
そのブサイクなクマのキーホルダーは
この瞬間、私の宝物になった。


「…ありがとう!」


嬉しさで涙がこぼれるのを
必死で我慢してお礼を言った。


「そんな欲しかったのかよそれ。」


違うよ、陽輝。
クマが欲しかったんじゃなくて
陽輝からもらったことが
嬉しいんだよって。


そう言えたらどんなによかっただろう。



私は陽輝にもらったクマを
そっとバックの中へしまい
雑貨屋を出た。