ひと夏の恋をキミと

「綺麗…」


その一言しか出てこなかった。


水槽の中の魚たちは
海よりもずっとずっと
狭い空間に入れられて、
窮屈そうにしていても
おかしくないのに
それを感じさせない。


むしろその狭い空間の中で
自分の泳ぎ方を見つけているように思えた。


私も、この魚たちみたいに
なれたらいいのに。


どんな環境でも
自分の生き方を見つけて前を向いている。


少し羨ましいと思いながら
しばらく眺めていた。


何も話さず、ただひたすら
魚たちを見つめる私に
陽輝は何も言わず、隣にいてくれた。




「ごめんね!ずっとここにいて!
他に行こっか!」


どの位の時間かは分からなかったけど
結構長かったと思う。