ひと夏の恋をキミと

『姫奈!待て!』

って声が後ろからしたけど
無視して走った。



ハァ、ハァ…


運動不足で息が上がる。


気付けば海の岩場の方へ来ていた。


ここは人が来ないから
1人で落ち着ける。



自分の顔に手を当てるとまだ熱い。


陽輝と居ると
頭じゃなくて心臓が病気になりそう。


しかも怒ると俺様になるんだね…。


いつもと違う陽輝にドキッとしてしまった。


平常心を取り戻そうと
大きく深呼吸をした時



「ねぇ、何してるの?」


声がする方を見ると
見るからにガラの悪そうな2人が
こちらへ近づいてきていた。


「君、そこの海の家で
バイトしてる子だよね?」