「ご、ごめん!」


慌てて立ち上がり
陽輝から離れる。


好きだと実感してから
陽輝とまともに話せなくなってしまった。


どうしたらいいのか
わからなくて。


だって初めて人を好きに
なったんだもん!


「もう大丈夫だからありがと!
陽輝も戻って!」


急ぎ足でビールを運びに行った。



カウンターへ戻ると
しかめっ面をした陽輝が
待ち構えていた。


「陽輝、ちゅ、注文は…?」


私がカウンターを出た時に
伝票は10枚ほど溜まっていたはず…。


「全部終わらせた。」


嘘でしょ…。
この短時間であの量を…。


「そ、そっか!あ、ありがとうね…。」


仕事に追われていれば
陽輝と話さなくてもいいと思って
今日はちょっとラッキーだと
思っていたのに
お客さんが切れてしまった。