今日の当番は飲物。


ビールを注文する人たちが多くて
これが案外大変なんだ。


「これ泡多いよ!」
「早く!まだかい!」


「すみませんすぐに!!」


土曜日に加えて天気は晴天。


お酒が進むおじさんたちに急かされる。


「お待たせいたしまし…」
た、とビールを持って
机に向かっている時、
下が濡れていて滑ってしまった。


やばい、転ぶ…


そう思った時


___ポス


誰かに受け止められた。


見上げなくても柑橘系の
香りが鼻をかすめて
それだけで分かってしまう。


「ほんとに姫奈は危なっかしいな!
転ぶの受け止めたの
一週間で二回目。」


呆れたように笑う陽輝だ。