「…愛美、ごめんね隠してて。
愛美には重い荷物を背負わせたくなかったの。」


「どんなことでも
私は聞くよ。姫奈の力になりたい。」


愛美の力強い瞳に見つめられ
話すことを決めた。


「私…病気なんだ。」


今まで言えなかったのは、
実感がなかったからとか
愛美の為とか思ってたけど、
本当は


___怖かったんだ。


誰かに話したら
自分が病気だって認める気がして。
他の人とは違うんだって
思いたくなくて。
死ぬのが…怖くて。


「頭にね、腫瘍があるの。
手術ではとるのが難しくて、
放射線とか使って治療をしようって
言われたんだけど、断ったんだ。
認めたくなくて。
治療を受けるのが怖くて。」