陽輝Side

姫奈の様子がおかしかった。


突然頭を抱えて座り込んだ。


痛がり方が尋常じゃなかった。


なのに姫奈は、
また笑ったんだ。偽りの笑顔で。


あの笑顔を見るたび
俺は胸が締め付けられる。


姫奈を苦しめてるのは何なのか。
一番大事な事が分からない。


姫奈のお母さんも
よくあると言っていたから
そこまでしなくても
大丈夫かとも思うけど
なにかが引っ掛かるんだ。


このまま流してはいけない気がする。
勘だけど。


だからって言って
俺に今出来る事って何だろう。


考えても答えは出なくて、
その日のバイトは
集中できなかった。