ひと夏の恋をキミと

2人で顔を見合わせて
大笑いした。


陽輝と居ると
失敗が笑いに変わる。


幸せを感じていたのも束の間。



___ズキッ


「…っ」


激しい頭痛に襲われた。

思わず頭を抱えて座り込んだ。


「姫奈!?」


心配そうな陽輝の声が頭上からする。
大丈夫だよって
笑わなきゃ…。


「だい…じょうぶだよ。」


きっと陽輝には見抜かれる。
大丈夫じゃない事。


「大丈夫なわけないだろ!
無理して笑うな!」


…ほらね。


「とにかく中に行こう。」


陽輝に肩を借りて中へ戻る。



「姫奈!?」


お母さんが慌てた様子で駆け寄ってきた。


「大丈夫、ちょっと暑さで
やられただけだから。」