ひと夏の恋をキミと

余りにもお願いされるから


「は…るき。」


ドクン___


心臓が音を立てる。


たかが名前を呼んだだけなのに。


「…はい。」


にっこり笑って私の頭に触れた。
優しく、愛しいペットを撫でるように。


その行動に私の全身の熱は
一気に顔へ集中する。


「姫奈顔真っ赤~!」


からかうように指摘され
余計恥ずかしくなった。


「言わなくても分かってるから
辞めて!!」


こんな事しか言い返せないでいると


「待って、なんか忘れてる気が…」


「「焼きそば!!」」


綺麗に焼けていた焼きそばが
ソースをかける前に
真っ黒に焦げてしまっていた。


「「……っぷ、あはは!!」」