「腫瘍は全て取り除けました。
ですが最初にご説明した通り、
これから目が醒めるまでは何とも…。」


「あと、どのくらいで目が醒めるんですか?」


俺の質問に、その場にいた俺以外全員が
苦しい表情を浮かべた。


「陽輝君、姫奈ちゃんはいつ目が醒めるか
分からないんだ…。」


…は?
いつ目が醒めるか分からないって…


「どういう…ことですか。」


「姫奈ちゃんはたくさんのリスクを背負って
この手術を受けたんだ。
もちろん後遺症が残る可能性もあるし、
目醒めない可能性があるって事も承知でね…。」


そんな…


「姫奈ちゃん、言ってたんだ。
最初は治療をする気が無かったから
どうしてやる気になったのか聞いたら
『望んでもいいなら好きな人の隣にいたいから』って。」