それはずるい質問だね。


「それには答えられない。」


大樹君は何かを察したようだった。


「…そうだよね、ごめんね、
変な事聞いて。」


「ううん、大丈夫。
ごめんね、私もうすぐ検査の時間だから
行くね?
それと、今日の事、絶対に
陽輝には話さないでくれる…?」


私のお願いに
少し悩んでいたけど
最後は頷いてくれた。


「ありがとう…。」


微笑むと
大樹君も少しだけ
笑ってくれたような気がした。



病室に戻った私は検査を受け、
手術についての最終説明を受けた。


「頭を開いて、もし、見えにくいなって
感じた時は『覚醒手術』に切り替えることがあります。」