「実はね…」


私の病気の事、
ついこの前の思い出、
これからの手術について、
大樹君は真剣な表情で
たまに鼻をすすりながら最後まで聞いてくれた。


「ごめんね、こんな話して。」


謝るとぶんぶんと首を横に振った。


「あのさ、余計なお世話かもしれないけど…」


大樹君から聞かされたのは
今の陽輝の状況だった。


魂が抜け落ちたみたいだって。


そんな事を聞いてしまったら
心が揺らぐ。
だけど、これは時間が解決してくれるはず。


そう言うと大樹君は悲しい顔をした。


私は最近みんなに
こんな顔させてばっかりだな…。


「姫奈ちゃんは、陽輝の事好き…?」