やってきたのは屋上。


夏場は暑すぎて
利用する人がほとんどいないから、
今の俺たちにしたら好都合の場所だった。


「さっきも言ったけど姫奈の事なら…」


話す気はない。
そう言おうとしたけど


「お前バカじゃねーの?」


大樹によってそれはかき消された。


「バカって何だよ…。」


「バカはバカだろ。お前らしくない。」


俺らしい…?
俺らしいって何だよ…。


「お前、そんな簡単に姫奈ちゃんの事
諦められんのかよ。」


「諦められたら、
こんな事になってねーだろ…。」


俺が発したのは
今にも消えてしまいそうなくらい
か細い声だった。


「なら、ぶつかれよ。」


そんな、