渋々開けたドアの先にいたのは
あまりにも意外な人物だった。


「おじさん…?」


姫奈のお父さんだった。


「突然ごめんね、陽輝君。
少し、話してもいいかな?」


姫奈のお父さんは
とても真剣で、だけど悲しそうな目をしてた。


俺は静かに頷き
部屋へ招き入れ扉を閉めた。



少しの沈黙の後


「話は姫奈の事なんだけどね?」


それしかないよな…。
お父さんも俺が姫奈の事
好きな事知ってるだろうし
『娘はやらん!』とか言われるのかな
なんて思って構えていると


「単刀直入に聞くけど、
姫奈の事、好きかい?」


なんとなく想像していた質問に
俺は頷いた。
普通、付き合ってもない
片想いしてる子のお父さんと
こんな話をすることなんてないだろう。