陽輝Side


部屋で一人、姫奈とお揃いの
キーホルダーを眺める。


さっきの姫奈の言葉と顔が
頭から離れない。


俺に『好き』と言う事さえも
許してくれなった。


でも、ただ拒否しているんじゃなくて
何かに怯えているようにも
見えたんだ。


だから俺は何も言う事が出来ず
そのまま帰宅して今に至る。


シルバーのハートの片割れは
キラキラと光を放って揺れる。
この光景がなんだか無性に虚しい。


このキーホルダーみたいに
俺も光になれたらいいのに。


そんな出来もしない事を
思っていた時だった


---コンコン


部屋をノックされる音が聞こえた。


正直今は誰とも
会いたくないんだけどな…。