「ご飯の前に姫奈と話してくる。」


陽輝が立ち上がったと思えば
腕を引っ張られて
誰もいない朝の海へ連れ出された。



「姫奈、なんでって顔してる。」


ははっと笑う陽輝の笑顔に
屈託はなくて。


「だって…。」


「ねぇ、姫奈。
俺は姫奈が望むなら何も言わない。
だけど、そばにいたいんだ。
ただただそばにいて、
同じ時間を過ごして、
笑っていたいんだ。
夏が終わった後もその先もずっと…。」


言葉の途中何回か顔をしかめ
悲しそうな笑みを浮かべた。



「俺が、信じるから…。」


『姫奈も信じて』


ギュッと陽輝の胸に
抱き寄せられた後
そんな事を言われた。