悠夏の顎先に触れ、再び口付けを交わす…

「まだ、足りない…」

と、悠夏の身体の上に覆い被さる紘一…

「え? 紘一さん、ちょっと…」

その言葉の途中で、またも…唇を塞ぐ…

両の脚を推し開き…

「っあ! 紘一さん…」

奥まで、推しはいる…悠夏は、自分の背に両手を回し…

「紘一さん、キスして…」

潤んだ瞳で、口付けをせがむ…

最初の出会いから、変わった…とすれば…肌を重ねれば…重ねるほど、お互いの気持ちの変化が如実に現れたことくらい…

紘一にとっては、男性経験がなかった悠夏にとって、自分は初めての相手だ…
自分の好みの女に、いくらでも染められる…という利点があり、自分の要求に素直に応じられるような女だったのも事実だ…

悠夏にとっても、紘一は自分が今まで知らなかった…男女の蜜時について、教わり…開花させてくれる快感と悦楽を与えてくれる…

「仕方ないな…、舌を出して…」

悪魔のような笑みに逆らえるはずもない…

悠夏は、荒い呼吸をしながら…、舌を出す…それに吸い付くように口付けをする…

ゾクゾク…とするような快感が、身体中に駆け巡る…

「可愛いな…。愛してる…悠夏…」

その言葉に、涙ぐみなごら…もっとと…キスをせがむ…

「…あぁ…っ。紘一さん、私も…っ」
《この人のことは、確かに好き…なのだろう…

優しい時の、この人は…好き…なのだと思うけど…

でも、愛とは…違う…


それでも、この手を離せない…っ


この人との、婚姻は…

自分の心を守るための…《契約》…

あの人への想いを、守るための…


それでも、私は…この手を手放せないのも事実…


私は、誰かに…愛して欲しい…だけ…》