口には出さないが…、心配している…と、見て取れた。

「あ、ありがとうございます。」

…が、紘一は、短くなった悠夏の髪を改めて見つめ…

「なんだ、これほ?」

「あ、髪を…切られてしまって…どうでしょうか?」

「…小猿みたいだ…」

と、はっきりと言った…

「ちょっと、紘一さん。似合うでしょ? そんな言い方って…」

紘一の言葉に、呆れながら言った雅に…

「あなたも一緒に居て、なにしてたんです? 少しは、自重してください。悠夏を連れ回さないでください」


その、紘一の態度に、悠夏の心拍数は上がる…

紘一が、ここまで心配するとは、予想していなかった…

「……っ」
《なんで、こんなに心配してくれるの?

昨日と、違いすぎて…っ!》

そして、紘一は、吉澤の方を見…、吉澤に近づいていく…

その、次の瞬間…

吉澤の頬を平手打ちを食らわした…

「紘一さん…!」

すぐ様、止めに入った悠夏…

「お前が側にいながら…っ。悠夏に何かあったら…お前の命で償えっ!」

「…紘一さん…」

「申し訳ありません…」

そぅ、深く…頭を下げた吉澤…

「吉澤さんは、守ってくれました。彼のせいではありません!」

泣きだしそうになりながら…懇願する悠夏…

「外には出るな…。分かったな…」

と、一瞬、先ほどの表情を見せ…、すぐ様、部屋を出て行った…