扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

「気色悪いなー。顔不気味な笑顔で怖いし動物だし、下は人って。しかもなんかムキムキだし。獣人にしてはもう少しまともなのこいよ」



相変わらずびっくりする事もなく、素直にストレートな物言いで文句というか感想を述べている。



「………で、どこに手紙」



「………」



手紙が入っている所を探していると、またあからさまにここって心臓の辺りを指で指していた。



「うわー」



若干、暁さんは引いている。



「開けれるのかな」



「多分…」



と、暁さんはなんとなく指指してる心臓の辺りに手を近付けると、いきなり人形が動き出し心臓がハートになった。



「なんか出たんだけど…」



「びっくりだね」



「いやもう…引いてるよ」



急に動いても見事に無反応なのは逆に関心できる程に見える。



「…うーん」



未だに手紙は出てきていなけど、また暁さんは心臓の辺りに出てきたハートに手を触れた。



「?」



と、軽く押すとぱかっとハートが開いた。



「あ、手紙!」



「はは…変なからくり」



相変わらず暁さんは苦笑いで引いていた。



「えーと『第1のステージおめでとうございます。
でも、ラブメーターは上がらなかったですねー。
次は上がるといいですね!
クリアとして、新たな武器に変換しておきました。
次も頑張ってください』だとさ」



「はあ」



文字は高めのテンションぽいけど、暁さんは淡々とセリフを読むのでなんとなくシュール感を感じてしまった。



「随分、楽しそうな文章だこと」



暁さんは何かと冷めた言い方が多い気がする。



「武器って何か変わってる?」



「えっ?あ!」



そういや武器を変えてくれたと書かれていた。



武器を見ると本当に変わっていて、なんか銃みたいな…そして剣の時と同じように、子供のおもちゃのような形だった。



というかこれ…。



「水鉄砲じゃね?」



「う、うん…水鉄砲だね」



水鉄砲だった。



武器のチョイスが謎だ。