扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

「あ、開いた」



「えっ」



「これ、鍵付いてないな」



「そ、そうなんだ」



宝箱を開くと中から出てきたのは、指示書みたいな封筒だった。



「何これ?」



暁さんが封筒を開けて読むが、よくわからない事が書いてあったそうだ。



「なんて書いてるの?」



「あー《今から何かが起こります》って書いてあった」



「………」



それって、さっきあの子が言っていた事と繋がるのだろうか。



「まあいいか」



「ねえ、まだ何か入ってない?」



宝箱をよく見ると小さい物が入っていた事に気付いた。



「何これ?」



さっきあの子を呼び出した時のようなおもちゃと同じ物が入ってた。



「まだ続きあった。えっと《それは武器です。ピンチになった時に使えます。何度も使えます》だってさ」



「ぶ、武器…?」



なんか少々物騒的な言い方なのはなぜだろう。



モンスター的な者でもやってくるのだろうか。



それはもう恋愛エピソードでもない気がする。



というかメルヘンよりファンタジー要素が強い気が。



「何か出るのか?ここは」



「さ、さあ…?」



「まあいいか。はい、持っとく?」



「あ、うん」



暁さんはおもちゃの武器?になるものを私に渡した。



「……」



これがどう武器になるのだろう?



「あれ?…なんか増えてない?」



「えっあっ」



と、後ろにはまだラブメーターがいた。



「なんか光ってるし」



「……」



「何かあった?」



「さあ?」



「だよな」



近すぎて意識したとは恥ずかしく言えなかったので、とりあえず何もなかったように知らないふりをした。



「まあ、いいか。あっ消えた」



唐突に現れて唐突に消えていくんだ。



「とりあえず、行くか」



「うん」



そういえば、手紙に「何かが起こる」って書いてあったけど、今の所何も起きないんだけど。



《ゴゴゴー》



「ん?」



「何か変な音が聞こえない?」



「うん、確かに」



《ガッガッー》



何かが転がって来るような音が聞こえて、それが大きくなっていくような。



「ってえええ!?」



「なんで!?」



後ろを振り返ると遠くの方から大岩がすごいスピードで転がってきていた。