《このラブメーターは、あなた方の距離感やドキドキ感によって上がっていくものです。そして、このエピソードを完結させるのには、このラブメーターを満タンにさせなければなりません。要するに恋愛エピソードなのでそういうドキドキ感をもたらす行いをしてほしいんです。それが私からの指示です》



「予想はついていたけど、おそらくそういう事だと思ったよ」



「……」



《あと、宝箱みたいなものありますよね。あそこにはラブメーターが大きく上がる事が起きますので、ぜひぜひ鍵を見つけてくださいね。それとラブメーターが上がるように色々用意したので色々頑張ってください♪》



そう言ってモニターはプツッと消えた。



「消えちゃった」



「………まったくリィアは変なの用意してくれちゃって」



「色々って何でしょうね?」



「さあ、なんか嫌な予感もするけど」



嫌な予感…。



確かにあの子は悪気はない言い方だけど、なんだろう何か企んでいるのは確かだ。



(うーん、何が起きるんだろう)



そんな疑惑を感じながらもまっすぐに進んでいくと、何か合図的なものを見つけた。



「ねえ、暁さん」



「ん?」



「あれって」



そう言って暁さんに合図的なものに指を指して声を掛けた。



「……すっげー不自然な合図だな」



「う、うん」



「あと、何気に親切だし」



「た、確かに…」



不自然だけど親切な合図ってなんだろう。



道標に「ここ」って矢印を向けていて、その矢印の矛先が切り株に向けていた。



「また切り株」



「と、宝箱か」



「うん…」



でも、先程と何かが違っている気がする。



「あ。なんか持っている宝箱と微妙に絵柄が違う」



「えっあっ本当だ」



持っている宝箱はいかにも宝箱という装飾だけど、今回の宝箱はなんかカラフルだ。



何か違いがあるんだろうか。



「あっ」



「どうかした?」



「この宝箱…鍵穴がない」



「えっ」



不思議そうに暁さんは隣にしゃがみ込んで宝箱に触れる。



「……」



(ち、近い…)



近い距離感に思わず変な意識をしてしまう。



「!」



ふいに後ろを振り向くとラブメーターが現れていて、ピコピコと光っていた。



そして、なんか少しだけ増えていた。



(えっもしかして)



今微かに意識してしまったから?



(嘘…えー)