辺りをキョロキョロすると、ふと切り株の上に何かが置いてあった。


切り株もそうだが置いてある物もとても不自然だ。


手紙というよりは宝箱に見えるのだけど。


しかもなんか…。


「メルヘンだ」


「うん? ああ、あれか。なんだ、この宝箱は? 随分とおしゃれな宝箱だな」


暁先輩はゆさゆさと振りながら宝箱を持ち上げる。


「えっと鍵とか掛かってんのかな?」


宝箱を開けようとしたが、やはり案の定の結果になった。


「鍵掛かってるんですか?」


「みたい。えっとーこういう時は確かどこかにヒントみたいな物が近くにあると思うんだけどー。いつもと勝手が違うから色々ややこしいな」



「……」


(ヒント?)


「これ…」


切り株に何か刻み込まれているのに気が付き、その場にしゃがみ込んでじっくり見つめる。


「どうした?」


「何か書かれてます」


「ん?」


「!」


暁先輩も私と同じような態勢で隣にしゃがみ込んでくる。


「なんて書いてるんですか?」


「多分、鍵の在り処だと思う」


「鍵?」


「とりあえず、まっすぐいけばいいのかも」


「そっかあ」


「あと、これはなんだ? 障害物でもあんのか?」


「?」


「まあ、いっかあ」


暁先輩が謎な事を呟いていたけど、おそらく大した事ではなさそうとは思う。



進んでいけば何か分かる感じみたいだ。


とりあえずまっすぐ歩く事になった。