「………」


やっぱり蒼兎くん達と私は歪なのだろうか。


なんか自分が虚しくなる。


「………」


そういえば、最近クラスで嫌な思いをしなくなった気がする。


式見くんが嫌がらせしなくなったせいかもしれない。


それはそれで少し怖い気がするけど。


そんな事を色々考えているといつの間にかあの部屋への入口までやってきていた。


「もう少し他の入口ってないのかな」


正直、ここへの入り方が絶叫系みたいで苦手だ。


蒼兎くんはなんであんなに平気で降りているんだろう。


「うーーん」


「あれ、知らない子がいる」


「えっ」


突然の声に振り向くと、後ろに私服の男性が立っていた。


(学校の先生?)


いや、ここの場所知ってる人は学校関係では星都先生と理事長ぐらいしか知らないって言ってて、知っていたとしても大人はここには来ないと言っていた。


じゃあ、卒業生?


そういえば、卒業生にも属性持ちの人がいるって言っていたような。


「もしかして、アリス属性の人?」


私はまだアリス属性に対して直感的なものが備わってないので、この人がアリス属性持ちだという事を把握できずにいる。


「うん、君は新しく入ったアリスだよね?」


「はい」


「だよな」


この人もすっごいかっこいい人だ。


「………」


アリス属性の人達って見た目が整っている人しかいないのだろうか。


なんか更に自信がなくなってくるのだけど。


(あっ)


そういえば、碧沙ちゃんが言っていた。


去年卒業した先輩に蒼兎くんと同様に人気の人がいるって言っていた。


こんなに人気の人達がいるのに、なんでこんなにも知らなかったんだろう。


他人に興味なさすぎる自分が恐ろしい。


自分の事で精一杯だったから他人に対して興味を持てなかったってというのもあるし。


「えっと俺は暁 雷斗です。属性は白うさぎ。よろしく」


「あっ森瀬 望杏です」


「知ってるよ、聞いてたから」


「……」


暁先輩は笑うとクシャっとなってすごくチャーミングな人だ。