扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

「今日は機嫌 戻ったんだね」



「?」



私の言葉に蒼兎くんは首を傾げた。



「別に普通だけど」



「そっか。でも、昨日 機嫌悪そうな顔してたから」



だけど、更に疑問の表情をされた。



「そうなの?」



(あれ?)



あまり自覚がない感じだろうか。



「いつ?」



「えっ帰り。保健室 出てから」



「あーはは、なるほどね」



ようやして理解したようで、なぜか乾いた笑い方をした。



「それはまあ、うん…大丈夫」



(何が?)



これはあまり聞かない方がいいのかもしれない。



「そっかあ、大丈夫なんだね。よかった」



「気にしてたの?」



「うん、それで今日早めに来て、いるかなって思ったらやっぱりいたから良かったよ」



「………えっ」



私の言った事に蒼兎くんは驚いたかのように目を丸くした。



「俺に会いに早く来たの?」



「うん」



「そうなんだ…」



「?」



不機嫌な顔ではないんだけど、なんか戸惑っている表情になっているのはなんでだろう。



(まあ、いっか)



蒼兎くんはよく表情が変わる人だ。



「あ、そろそろ戻んないと」



「……」



「蒼兎くん?」



「ん? ああ、そうだね」



「?」



蒼兎くんは何かぼーっとしているのが気になったが、あえて気にしないでいた。



ベンチを立ち上がり「じゃあね」と言って手を振って校舎に戻ろうとした時ー。



「えっ」



突然ぐいっと手を掴んできては、またベンチに座らされる。



「あ、蒼兎くん?な、何?」



あまりにも突然で思わず戸惑いが出る。



戸惑っていると目線を合わせてそのまま顔を近付けてくる。



「ちょっちょっと待ってっ何?」



蒼兎くんの綺麗すぎる顔にどこに目を向けたらいいのか分からず更に戸惑いが生じる。



「!」



そっと左頬に蒼兎くんの手のひらが触れる。



「あ、あのっ…もっもうすぐ…よ、予鈴が…っ」



心臓がバクバクして、なんでこんなにも落ち着かないのか分からないくらいに動揺していた。



「ねえ、本当にほっしーが好きだったりとかないよね?」



「えっえっ」



(ほ、星都先生?)



なんで、こんなにもみんなして好意があるのか聞いてくるのだろうか。



「な、ないと…思うけど」



「じゃあ、気付かない方がいいのかもね」



「えっ…!?」