「アリスさん」


「ねずみちゃん?」


「ようこそ、アリスワンダーランドへ。あなたを歓迎します」


そう言ってねずみちゃんは私をある場所へと案内した。


「!?」


それはパーティーのような催しをされたお庭だった。


「これはパーティー?」


「うん、アリスちゃんの歓迎パーティーだよ」


そう言って蒼兎くんは嬉しげに笑顔を向けた。


だから蒼兎くんはあんなに強制的に言ってきていたのか。


ねずみちゃんもみんなも。


「ありがとうございます」


「ううん、よかったです。喜んでくれて」


「⋯⋯⋯」


(でも私は⋯)


「あの、ごめんなさい」


みんなは私を歓迎して準備してくれたのに、なのに私は自分がみんなの輪に浮いているからあえて避けるような、そんなすごく失礼な事をしていた。


それがすごく申し訳なくて、居た堪れなく感じてしまっている。


「避けるような事してごめんなさい」


「アリスちゃん」


「まあ、無理もないよね」


白砂芽先輩が肯定するかのような一言を私に言った。


「なんていうか、うちらって学校内では有名みたいだから他の子からすれば違和感があるもんね」


「確かに」


(やっぱりそうなんだ⋯)


「でもね望杏、あたし達は歓迎するから気にしなくていいんだよ。釣り合わないとか釣り合うとか、浮いてるとか浮いてないとか、そういうの気にしないで。他の子の言葉なんて気にしなくていいからね。だから、これからもちゃんと来てほしいな。あたし達はあなたが必要なの。ずっと探していたからね」


「⋯⋯⋯」


なんとなく蒼兎くんの方を見ると彼は、にこっと微笑み掛けてくれた。


「えっと⋯ありがとう」


私はずっと勘違いしていたのかもしれない。


学校って昔からあんまり好きじゃなくて、私がこんなんでネガティブ思考だから自分で自分を嫌にさせていたのだろう。


不思議だな。


受け入れてくれる人がいるってこんなに素敵な事だったんだ。


「さあ、始めようよ。アリスちゃん」


「うん」