放課後になり友達が心配そうに近付いてくる。



「私ら部活に行くけど大丈夫?」



「う、うん」



あの子らも部活があるだろうし、私に嫌がらせする暇もないだろう。



（さてと、私も帰ろうかな）



そう思いながら帰る準備をしていると、鞄の中から図書館から借りた本が入っているのに気付いた。



「あ」



（図書館に寄ろうかな）



今日は特に用事ないし、そもそも部活に入っていないのでよくこうして図書館で本を読んだり借りる事が多い。



それにこの本もう読んだし、そろそろ返却期限迫ってるから返さなきゃいけないので。



そうして私は図書館へと赴いた。




（あ、今日は生徒が担当の日なんだ）



図書館は図書館塔と言われる校舎とは別の建物にある。



図書館塔には様々な図書施設があって、放課後は図書委員が1室を担当する事になってるらしい。



私は何気なく図書室へと入り鞄の中から出した本をカウンターに出す。



「お願いします」



「はい」



受付の生徒は男子で男の子にしては柔らかい仕草に少しぼーっと見ていると、ふわっと顔を上げ私と目が合った。



（！？）



その瞬間、その男の子にとても驚いた。



なぜなら、その男の子はあまりにも綺麗で透明感のある見た目で、芸能人と言っても過言ではないぐらいに普通とは違う雰囲気だったから。



私は身近でこんなに綺麗で肌が白く透明感のある男性を見たのは初めてだった。



（すごく綺麗な男の子。
何を食べたらあんな風になるんだろう）



きっとすごく女の子にモテるんだろう。



あの人みたいにいじわるな事もしてこないのだろうか。



どうしても見た目がモテそうな人は、裏表が激しくて心の感情を疑ってしまう。



なんであの人は私に嫌がらせするのだろうか？



（それにしても、あの男の子は初めてだな）



図書館にはちょくちょく訪れているけど、あの男の子は初めてだった。



ていうか、うちの学校にあんなモデルみたいな顔立ちの子いたんだ。