扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

それから、しばらく付いていくと1つの部屋の前で止まった。



(ここは部室かな?)



部室棟とは別の場所みたいだけど。



「ここは?」



「部室。ああ、言ってなかったけ?
そういや、アリスちゃん部活とか入ってる?」



「ううん」



「そっか、そりゃあよかった」



「?」



そう言うと嬉しそうな表情で扉を開けた。



〈ガチャ〉



「あ、やっときたー」



扉が開くなり待ち構えていたかのように、音仲くんが現れ私の手を握った。



「!」



「おい、渢和〈ふわ〉」



「ん?」



「邪魔だ」



「あ、はーい」



ぱっと音仲くんは手を離し中央へと駆け寄っていく。



「その子がアリス?」



「思ってたよりも幼い感じだね」



「?」



中央の方へと目を向けると2人の男女が立っていた。



「うん、そうだよー」



「おいで」



「うん」



蒼兎くんに促され中央へと向かう。



「紹介するね、高等部1年の森瀬 望杏〈もりせ のあん〉ちゃん。念願のアリスちゃんだよー」



音仲くんは嬉しそうに私を2人に紹介してくる。



と、最初にカーリーヘアの赤茶色の髪の綺麗な女の人が声を掛けてくる。



「アリスかあ、ようやくね。あ、あたしは高等部2年の白砂芽 愛羅〈しらさめ あいら〉、属性は女王様よ。こういう見えてかわいいのが好きな女の子よ」



「えー」



「へえ」



「ふーん」



白砂芽先輩の言葉に3人は少しだけバカにしたかのような反応をする。



「何よその反応は」



「いやだって」



「なんか似つかわない発言が」



「いいじゃないの別に」



「あ、すごくいいと思いますよ。
女の子だしかわいいものは好きですよね!」



「まあ!」



同じ女の子だし一応フォローするとなぜか嬉しそうな目をされた。



「ありがとう、あなたはいい子ね♪」



「あはは」



そこまで大げさなこと言ってないと思うんだけど。



(まあ、いっか。喜んでくれているし)



「で、こいつはあたしの1つ上の高3の乙近 阿賀波〈おとちか あがは〉。属性はハートのジャックで、偉そうな奴かな。あとは遊人だったかしら」



「おい、なんちゅう紹介してんだよ。
でたらめすぎるだろ」



適当な説明だったのか白砂芽先輩の隣にいた乙近先輩は少し納得いかない様子だった。



「あら、変だった?」



「適当だろ、最後。それ見た目で言ってるだろ」



「あら、バレた?」



「えっ事実じゃないの?」



乙近先輩の否定に音仲くんは思いきし信じていたみたいだ。



「ふう…お前もか」



「あはは、しょうがないじゃん。阿賀波は見た目遊び人ぽいもん」



蒼兎くんはからかうように笑っていた。



「そこはイケメンとかかっこいいとかでいいんじゃないの? なんで遊び人なんだよ」



まあ、確かに乙近先輩はモテそうな雰囲気で蒼兎くんとはまた違った雰囲気で、どちらかと言うと…ホストとか遊び人ぽい気がする。