「さてと、そろそろ行くか」


「はーい♪」


蒼兎くんの合図の声に音仲くんは元気よく返事をした。


「お前はいつも騒がしいな」


「なんでディスるの！ 普通は元気とかでいいでしょ」


「騒がしいのは当たってるだろう」


「当たってないよ！」


いつどんな時も仲良しな2人だ。


（2人は昔馴染みなのかな）


「ねえ、どうやって戻るの？」


確か落とし穴みたいな所に落ちて入ってきたのだけど、帰りは階段か何かがあるのだろうか。


「ん〜？」


気になったので蒼兎くんに聞くと、彼はあっさりな声でここからと指をさしてきた。


指をさした場所の奥へと進むと、先程とは違う扉が見えてきた。


蒼兎くんはそのままどこからと鍵を出し鍵穴をなぜか扉の横の壁に入れた。


入れて鍵を回すとどういう事か、小さな扉が開いて、そのままピッピと何かを打ち込んだ。


すると、扉の方からピーッという音が聞こえ、その音と同時に音仲くんは気軽なく扉を開けた。


「望杏ちゃん、おいで♪」


「えっ」


音仲くんは私を促すように手を伸ばして、そっと手を掴む。


「あっ」


と、扉の外に出るとガチャっと音がして「さていくか」と後ろから蒼兎くんが言う。


「……」


何処へ繋がっている通路なのかはわからないけど、辺りを見渡す感じ暗い感じだ。


明かりは付いてるからそこまで暗い感じはしないけど。


全体的に地下って感じがする。


歩き進んでいくとエレベーターのような扉が見えてきて、先頭にいた音仲くんはそのままエレベーターのボタンを押した。


「？」


（エレベーター）


と、すぐにエレベーターの扉が開き2人はそのまま中に入っていく。


「ほら、アリスちゃん」


「うん」


中は完全にエレベーターだった。


エレベーターの扉が閉まると上に上がっていくような感じがした。


（どこに向かっているのかな？）


2人は慣れてるから分かっているんだろうけど。