彼は私から部品を受け取ってバイクにつける。


「これだったか、サンキュー!」


彼はまだ私の存在に気づいていない。


呑気に私にお礼を言ってきた。


仲間が教えてくれたと思っているのだ。


「どういたしまして!」


私は地声より一段高い声で言った。


すると彼は何か異変に気付いたのか、


「あ"ぁ?」


と、殺気まじりの低い声が聞こえる。


さっきの声と違いすぎて一歩後ずさってしまった。


その声と同時に彼は私を見た。