「…ごめんね、急に来て」

「何言ってんのよ。気にしないで、輝がいないからちょうど良かったのよ。いたら、いいよーなんて軽く言えなかったけどね。出張で明日まで帰ってこないから」

「七海ありがとう」

私は、課長への気持ちに気がついてしまった次の日、課長と顔を会わせるのが怖くて朝早くに七海に連絡して家に来させてもらった。
ちょうど、同棲している彼がいないから、家においでよと言ってくれたから、私は悪いなと思いながら、家に行かせてもらった。

「で?どうしたの?菅野課長と何かあったの?やっちゃったとか?」

な、なんてことを!!
私は慌てて顔を振った。

「ないない。ないから!」

「なぁんだ、面白くないのー。じゃ、何があったのよ?」

「面白くないから!」

七海楽しんでる。
私は楽しくなんかないのに…

「冗談はさておき、菅野課長と何があったの?」

急に、真顔になった七海に私は躊躇してしまった。