時には優しく…微笑みを

「年を言い訳にしないで」

と、結子に言われた拓海は言い返せないでいた。

「菅野君、もう少し男らしいと思ってたけど、違ったのね…」

「な、なんでそうなるんだよ。俺だって、考えてはいるけど…」

「拓海、そんな風には考えてないだろ?断られたらどうしようとか思ってないか?」

拓海は、諒太と結子から責められ、何も言い返せないでいた。

「菅野君、これはね…私達が勝手に話しちゃいけない事だから、詳しい事は言わないけど、朋香ちゃんは菅野君と同じ傷を持ってるのよ。それだけ言えば分かるでしょ?もっと男らしくなりなさいよ!」

結子は拓海の背中を叩いた。

「痛っ…佐々木、お前なぁ…」

「あ、でもさ、3年も片思いってなんなの?朋香ちゃんの事、そんな前から知ってたの?」

「え?いや、それは…」

「それがさぁ結子、聞いてくれるか?こいつ情けねーんだぜ?」

「も、もういいじゃねーか。お、俺帰るからなっ」

いたたまれなくなった拓海は、慌てて帰っていった。


「…ったく、あいつら、言いたい事言いやがって…。簡単に言える訳ないだろ、3年前に好きになってたなんて…」