時には優しく…微笑みを

仕事が終わり、私は課長に友達と食事に行ってくると、LINEを送り七海とご飯に出かけた。

そして、七海に今までの事を話した。

「…なの。黙っててごめんね…」

初めは驚き、愛しの菅野課長との同棲だなんて!って叫んでいた七海も今日の出来事までを聞いて、最後は言葉を失っていた。

「朋香…冗談抜きで、大丈夫なの?耐えれるの?」

「分かんない。でも、課長が言うように離れる方がもしかしたら危ないのかも。今日のあの行動を見ると怖いよ。課長にだいぶ執着してるみたいなの」

七海は唸りながらも、

「そりゃ、そうでしょ。あの若さで課長、もうすぐ部長だよ、しかもあのイケメンでしょ?もったいないって思っても仕方ないと思うけど、節操ないよね。自分から振っておいて。私が男でも、菅野課長と同じ答えだよ」

「そうだよね。私も一緒なんだけどね。無理って言われたら引き下がらない?普通」

「普通じゃないから、そうなんでしょ?甘いわよ。朋香」

甘いか。
だけど…

「でも、菅野課長もそれだけ、なのかな…」

それだけ?何が?と聞き返そうと、七海を見た。

「決まってんじゃん。菅野課長の気持ちよ。絶対、朋香に気があるって!」

誰が?
誰に気がある?
ないない。

「んな訳ないよ。ないな…」

「ない訳ないでしょ!絶対にないって事はないよ。男と女だもん、朋香は気があるでしょ?楽しそうだよ?最近の朋香」

「え、そんなこと…」

「好きでしょ?」

返す言葉が見つからなかった。