時には優しく…微笑みを

食べていたパスタを吹き出しそうになった。

「っ…な、なんですか、急に。田中さん」

「あ、ごめん。櫻井さん、結構課長と親しく話してるから知ってるのかなぁ、って」

「し、知らないですよっ」

私は仲がいいんじゃなくて、指導係だっただけ。

「マジ？そうなの？朋香」

七海まで何を…私に聞いてくるかな。

よくよく聞いてみると、田中さんが昨日の夜と今日の出勤の時に、課長が美人の女の人と会っていたらしい。ショートの髪が似合う人だったらしい。昨日はショットバーだったらしく、女性の方がかなり課長に接近していたらしい。
あまり、女性関係の話を聞かない課長だけに、これが彼女なのか！って思ったと。
ショートの髪が似合う、と聞いて…やっぱり、と思った。

彩奈さんだ。
あの人と付き合ってるんだ。
そっか…

あれ？なんでかな私、ショック受けてる？

田中さんから聞かされた課長の現実に、私は心が痛かった。