時には優しく…微笑みを

「…ん、まぁ、DVD見てたら眠れなくなっちゃって…」

「そっか、目元に出てるから気つけなよ？みんなに突っ込まれるわよ」

「う、うん。そうだね…」

七海と別れて営業部に行くと、そこには昨日と同じスーツを着た課長が座って仕事をしていた。

あ、来たんだ。
事故とかじゃなかったんだ…よかった。
近くに行き挨拶をした。

「おはようございます。菅野課長」

課長は私が来た事に気がついていなかったみたいで、私の声を聞いてびっくりしているようだった。

「…っ、おはよう」

目を逸らした？
わたしが近くまで行ったのに、顔を見る事なく目線を逸らしたように見えた。
声をかけちゃいけなかったのかな…。
そんな気がした。

内心、何か？と思いながらも、私はそのまま自分の机に座り、いつもの仕事に取り掛かった。
仕事中、気にしたらダメだと思いながらも課長の態度が違う事が頭から離れなかった。

課長と絡む事もなく、休憩時間になり私は七海と外に出かけた。
社食じゃなく気分転換をしたかったから。
でも出かけた先で、同じ営業部の人と一緒になってしまった。
これじゃ、課長の事で七海に聞いてもらおうと思ったのに聞けないじゃない…そう思いながら食事をしていた。

「櫻井さん、知ってる？課長の付き合ってる人の事…」