あ、なんかふわふわしてる。
それにこの匂い、すごい安心出来る。
私は夢を見ていた。ん?誰か私の頭を撫でてくれてる?
気持ちがいい…もっと撫でていてほしい。
そして、額に柔らかい何かが触れた。あったかい…、その触れた何かが離れて寂しいとも思った。

目が覚めた私は、布団の上で寝ていた。
あれ?いつの間にここに来たんだろう?

不思議に思いながらも、目をこすりながら、部屋から出ると、すぐ目の前に課長がいた。

「え、ぎゃー!」

「ま、待て。櫻井、騒ぐな」

私が大声を出したもんだから、課長が慌てていた。

はっ、昨日からお世話になるっていったんだ…

「…す、すみませんでした。寝ぼけてて…」

「いや、大丈夫だ。びっくりするよな…、ただ、俺の家だから、これに慣れてくれよ」

「は、はい。分かりました」

「櫻井、コーヒー淹れたけど飲むか?」

「は、はい。いただきますっ」

私は慌てて、パジャマから私服に着替えて、リビングに行った。
目の前には、完全offの課長…
貴重だ、こんな姿を見られるなんて。

はっ、ダメだ。
また私の悪い癖、妄想が頭の中をグルグルと回りかけていた。

「な、櫻井。お前の癖か?」

「へ?いや…」

な、なんで、バレたの。
妄想癖がある事…
焦っていると、

「その、頭を振るのって、癖だろ?」

「へ?そ、そっち?」

「ん?そっち、って他にもあるのか?」

「いやいや、そんな事ないです」

初日からこれで大丈夫か?私。