時には優しく…微笑みを

結子さんを車に乗せた諒太さんは、結子さんにさっきあった事を伝えた。

「ホントなの?それ」

「あぁ、それより結子、片岡の相手覚えてるか?」

片岡?彩奈さん…拓海さんの元カノの相手がどうしたんだろう。

「覚えてるわよ、何よ。なんでそんな話、朋香ちゃんのいる前でするのよ」

「いや、朋香ちゃんも聞くべき事なんだ…」

運転中の諒太さんは横顔しか見えないけれど、真剣な表情そのものだった。

「な、なによ。その相手がどうしたのよ」

結子さんが、後ろの座席から諒太さんを覗き込もうとした。

「結子、名前なんだった?そいつの名前。お前、話つけに行った時、そいつも一緒だったんだろ?」

「な、何よ。一緒に座ってたわよ。今思い出しても腹が立つわよ。あの男、名前?確か、同じ神木物産の…加藤なんとか…人の男のフルネームまでおぼえてないわよ!」

え?
加藤…違う…加藤なんて、珍しい苗字じゃないもの。
違う人よ、そう優弥さんじゃない…

後ろで結子さんが何か言っていた…、気がつけば私はまた意識をなくしていた。