時には優しく…微笑みを

「拓海だろ?結子迎えに行ってから、そっちに戻るって言って」

「あ、はい。もしもし、拓海さん?」

「もしもし?朋香?今どこ?」

すぐに電話を出なかったせいか、電話に出た私に、矢継ぎ早に質問してきた拓海さん。

「あ、ごめんなさい。まだ諒太さんの車の中です」

「まだ?なんで?まさか、諒太のやつなんかしたのか?」

「な、何もされてません!結子さんを迎えに行ってるんです。それから家に戻りますから」

「ならいいけど、家に帰ったら、いないから何かあったのかと思うじゃないか」

ほんと、どこまで心配性なんだろう。
クスッと笑みがこぼれた。

「諒太に変な事するなよ、って言っとけよ。じゃ、待ってるから」

それだけ言うと電話は切れた。

「拓海、どうせ俺に何かされた?とか言ってたんだろ?」

「分かりますか?」

「分かるよ、だいたいな。いつもの事だから気にはしてないけどな」

「いいですね、信頼し合える友達がいるって…」

「何言ってんの、朋香ちゃんだっているだろ?今の朋香ちゃんを支えてくれる友達が」

「はい。私にも力強い友達がいます」

七海…私はきっと、東京で生活するにあたって、七海がいなかったら今までいられなかっただろう。

大阪の大学の友達には、優弥さんの事は言ってなかったから。