時には優しく…微笑みを

「歩ける?そろそろ行こうか」

「はい、ありがとうございます」

諒太さんに背中を支えてもらい、立ち上がった。

近くの駐車場に停めてある諒太さんの車で、送ってもらった。

「あー、ごめん。朋香ちゃん、俺ん家に寄っていい?」

ハンドルを握りながら諒太さんが聞いてきた。

「いいですよ」

私の返事を聞いた諒太さんは、携帯でどこかに電話をかけた。

車の中で鳴っていた音楽が切れて、携帯の呼び出し音が響いた。

「あ、これ便利でしょ。運転中は電話持てないからさ」

と言いながら、カーナビのモニターを指差していた。

「もしもし?どうしたの?朋香ちゃん何かあったの?」

いきなり私の名前を出されてびっくりした。
この声…結子さん?

「あ、いや朋香ちゃんは大丈夫なんだけど、今からそっち行くから、出かける準備してて、拓海ん家に行くから」

「え?今から?何か分かんないけど、分かったわ」

じゃ、と短く言うと諒太さんは電話を切った。

「結子さんですよね?私を迎えに来る話してたんですか?」

「あぁ、あいつ夜勤明けだったから、家にいたから、言ってあるよ」

夜勤明けの結子さんにも、心配をかけてしまったんだ。
悪い事したな…

結子さんを迎えに行っていると、私の携帯が鳴った。

「拓海じゃね?」

まさか、と思って電話を見たら、拓海さんの名前が表示されていた。