時には優しく…微笑みを

少しの間、私と諒太さんはベンチに座っていた。

「朋香ちゃん、拓海には言ったの?自分の気持ち」

「え、気持ちですか…言いましたよ。ついこの間ですけど…」

そう、ほんとついこの間、私は自分の気持ちにやっと気がついた。
憧れじゃなく、拓海さんの事が好きなんだと気がついた。
結子さんから、離れるのも大事よ、と言われて、離れたから分かった事だった。

「そっか、それで今回はすげー気合いが入ってたんだな」

笑いながらそう話す諒太さんに、私は気合い?と聞き直すと、拓海さんから昼休みに連絡があったらしい。絶対5時に迎えに行け、と。何かあったら許さないからな、って。

「まぁ、いいんだけど。ひどくないか?自分が行けないから行って欲しいってお願いなのにさ、何かあったら許さないからってさ。ま、さっきヤツ見たら、拓海が正解だったなと思うけど」

私自身も、迎えなんて過保護だと思ったけれど、諒太さんに来てもらってなかったら、きっとどこかに連れて行かれてただろう。しかも昨日の今日で会社にまで来るなんて想像していなかった。

今さら過去の事を謝られても、なんの関係もない。
謝られたからって、過去の事を許せるはずもない事。

優弥さんは今さら私に会って、何がしたかったんだろう。