時には優しく…微笑みを

「ちっ、何がまた今度な、だよ。俺が彼氏だって分かったはずなのに、厚かましいヤツだな」

後ろ姿を睨みにつけながら、諒太さんは怒っていた。
そして、振り返り私を気遣ってくれた。

「朋香ちゃん、大丈夫だった?顔色悪いけど、駐車場まで歩ける?」

「だ、大丈夫です。すみません、ありがとうございました」

「拓海から聞いたけど、あいつだろ?元彼って。来るのがもう少し遅かったらと思うと、拓海に怒られるとこだったよ」

「ほんと、すみません。助かりました。私、一人じゃ…多分話なんて…」

思い出しただけで足が震えてきた。
立っていられなくなりそうになった私を諒太さんは、抱えて近くのベンチに座らせた。

「やっぱり少しここで、休んでから行こう。寒くない?大丈夫?」

「大丈夫です。まだまだですね、私も」

「当たり前だよ。気にする事じゃないよ」

気にする事じゃないよ、と言われても3年経った今でも、記憶として残してしまってる自分の不甲斐なさに情けなくなっていた。

強くならなきゃ、と思う反面、またあんな事が起こったらどうしようと思う自分がいた。