時には優しく…微笑みを

3人で食事をした後、七海は部長に呼ばれていると言って慌てて、食堂から出て行った。

二人になって少し気まずくなった。
何から話そう…

「齋藤のさっきのは、あれの話だよな?元彼の…」

私は黙って頷いた。

「…七海が、もしかしたら…ここにも来るかもよ?って…」

「……」

拓海さんは少し黙ってしまった。
言わない方がよかったかな…余計な心配になるかも。

「…そうだな、それは考えていなかった…何かあったらすぐ教えてくれ」

「…はい」

拓海さんは、周りから見えないように私の手を握って笑いかけてくれた。

俺がいるから、大丈夫だと。

昼休みが終わり、通常の業務にあたっていると、拓海さんは神木物産の藤城さんに呼ばれたからと、社を出て行った。

こんな時間から出て行ったって事は、直帰かな?そう思っていた。
私に声をかける暇もなく出て行ったから、何かあったんだろう…。
後でLINEだけでも入れておこうかな…そう思っていた。

携帯の着信音が鳴り、見てみると拓海さんからのメッセージだった。
【諒太に迎え頼んだ。俺は直帰になるから、諒太が来るまで会社出るなよ?】

迎えって…
子供じゃないのに、そう思ったけれど、今日の昼間の事をきっと気にしているんだろう、私は嬉しくなって返信をした。

【過保護ですけど、幸せです】


そして、諒太さんが迎えに来てくれた。

過保護の拓海さんでよかった、そう思った。
何故なら…諒太さんの後ろに優弥さんが歩いているのが見えたから。