慌ただしく、課長の家に行く事になった。

そして仕事が終わり今、私は課長の部屋にいた。
落ち着かない。
男の人の部屋なんて、久しぶりだった。
ど、どうすれば…

「あ、じっとしてて、お茶用意するから」

「あ、それなら私が…」

私はいても立っていられず、キッチンに立った。
そして、ポットを取ろうとして手が触れた。

「あ、ご、ごめんなさい…」
「すまん…」

微妙な空気が流れた。

「や、やっぱり入れてくれるか」

「あ、はい」

気を使ってくれたのか、課長はその場を離れた。
私は言われたように、コーヒーをセットし淹れた。

そして、コーヒーを飲みながら、多分1週間もすれば仲川さんが、物件を探してくるだろうから、それまでの同居という事で部屋の説明を受けた。

課長の向かいの部屋が、空いてるからそこを使うといいと言われた。それから、トイレ、お風呂、洗面所と必要な場所を教えてくれた。洗濯に関しては使うのが嫌なら近くにコインランドリーがあるからそこを使えばいいと。

「あ、あの、食事は?」

「あぁ、キッチン使うなら使っていいよ。俺は最近は使ってないから、調味料とかは古いかもしれないけど…」

「え?課長、料理されるんですか?」

「俺か?一人暮らしが長いと何でも出来るようになるんだよ。男の一人暮らしはなかなか大変だからな」

「あ、それじゃあ!私、食事作ります。お世話になるんで!」